結婚相談所と聞くと、トラブルに注意しなくてはと構えてしまう人も多いのではないでしょうか。
結婚相談所でのトラブルは時折メディアで話題になることもあり、高額な契約であるがゆえによりマイナス面に注目してしまうという部分もあります。
実際に結婚相談所におけるトラブルは多数報告されていて、注意しなければならない点も多いのです。
この記事では、結婚相談所のトラブルの中でも特に注意したいものを5つ紹介します。
トラブルの詳細とその対策をあらかじめ備えられると、安心して婚活に励めるでしょう。
目次
結婚相談所に関連した国民生活センターへの相談件数は1,564件
国民生活センターによると、結婚相談所などの結婚相手紹介サービスに関する相談件数は、2021年は1,564件でした。
以下の表は、過去3年間における相談件数の推移です。
年度 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|
相談件数 | 1,607 | 1,366 | 1,564 |
2019年度からの推移を見てみると、年度によって多少の差はあるものの、年間1,500件前後の相談があるとわかります。
実際に結婚相談所を利用してトラブルを感じた人の中で、国民生活センターへ相談するのはごく一部に過ぎないでしょう。
仕方がないものだとして泣く泣く諦めている人は、最低でもこの数倍はいると考えられます。
結婚相談所に関連したトラブルは、私たちが想像するよりもはるかに身近なものなのかもしれませんね。
婚活アプリなどの出会い系サイトの相談件数は10,255件
結婚相談所のトラブルに関する相談件数は決して少ないとはいえませんが、一方で婚活アプリなど出会い系サイトについての国民生活センターへの相談件数は、2021年は10,255件でした。
これは、単純計算をすると結婚相談所の6.5倍の数字です。
実際のトラブルの数はこの数よりはるかに多いので、出会い系サイトのトラブルは結婚相談所とは比べものにならないくらい多いのがわかります。
そもそもの利用者数が異なるので単純な比較はできませんが、結婚相談所は出会い系サイトに比べるとあまりトラブルにはつながらないといえるでしょう。
では実際には、結婚相談所でのトラブルはどのようなものなのでしょうか。
結婚相談所のトラブル①解約についてのトラブル
結婚相談所のトラブルで多いのが、解約についてのトラブルです。
意を決して結婚相談所に入会したものの、後でゆっくりと考えたらやはり辞めたくなったというのは珍しくもありません。
家族の反対を受けたなどで、やむを得ず解約しなければならない人もいるでしょう。
中には子どもの結婚を心配して、親が勝手に結婚相談所の契約をしてしまうケースまであります。
この場合、本人に結婚相談所を利用する意思がなければ、解約を申し出るのは当然です。
しかし結婚相談所によっては、一度契約をした後で解約を申し出た場合スムーズに解約に至らないこともあります。
その他にも、入会前の無料相談しか受けていないはずなのにコンサルティング料を請求されたというトラブルも報告されています。
入会時に細かく確認を済ませ、トラブルを未然に防ぐ意識が必要です。
クーリングオフ制度については結婚相談所のHPや入会案内にも明記されているか要チェック
結婚相談所の解約に関してまず知っておきたいのは、クーリングオフ制度についてです。
クーリングオフ制度は、消費者を守る制度として特定商取引法などによって定められています。
契約から8日以内であれば契約を解除できるもので、これは結婚相談所でも適用されます。
契約内容に十分納得した上で契約した場合でも、クーリングオフの条件を満たしていると基本的に解約が可能です。
ただし結婚相談所の場合、独自にルールが定められている場合があります。
その点は契約時に説明がある他、契約書にも明記されているはずなので、事前に確認しておきましょう。
クーリングオフ制度に関する記載は、HPにもあるはずです。
もしもクーリングオフ制度について曖昧な表現をしていたり、そもそも記載がなかったりする場合は要注意。
そのような結婚相談所は、トラブルの可能性が高いと思った方が良いかもしれません。
結婚相談所のトラブル②退会についてのトラブル
結婚相談所のトラブルには、退会に関するものも多いです。
多くの結婚相談所では、利用し続けるのに月額料金が発生します。
結婚相談所で活動していてもなかなか思うような結果が得られない場合には、退会を検討するのも当然です。
自分がしたいと思ったタイミングでスムーズに退会できるのであれば良いのですが、結婚相談所によっては解約金や違約金などが発生することもあります。
- 月の途中で退会した場合の月額料金
- オプションで利用しているサービスの取り扱い
などでもトラブルとなる場合があります。
規約の確認と共に自分が結婚相談所に求めているものを明確にしておくのも大事
結婚相談所に入会する際には、必ず規約を確認しておかなければなりません。
これを怠ると、入会時の説明にはなかったのに規約には思いもよらないことが記載されているというケースもあるのです。
規約に載っている上に契約のサインをしているのであれば、知らなかったと言っても通用しません。
細部までしっかりと確認しなかったのは、全部自身のミスになってしまいます。
退会に関してはどの結婚相談所でも独自の決まりがあるので、最低限のチェックが必要です。
- 解約金や違約金は発生するのか
- 支払い済みの代金は一部でも戻ってくるのか
などチェックしましょう。
そもそも、自分が結婚相談所に対してどのようなものを求めているのかを明確にしておくのも大事です。
それが定まっていれば、自分に合った結婚相談所選びだけでなく、退会の判断もすぐにできます。
曖昧なまま結婚相談所に入会した人ほど、退会のトラブルにあう可能性は高くなります。
結婚相談所のトラブル③希望通りの相手に出会えない
結婚相談所へは、自分が希望する相手と出会いたくて入るものでしょう。
相手が誰でも良いのであれば、わざわざ結婚相談所に入会する人はいないはずです。
いつまで経っても希望通りの相手に出会えなければ、不満を感じるのも無理はありません。
同年代の相手を希望しているのに、お見合い候補として紹介されるのは、いつもかなり年上の人ばかりという人も中にはいます。
他にも、入会前の説明では自分の住んでいる地域にたくさん会員がいると説明を受けたのに、実際に入会してみるとなかなか会える相手がいなかったという話もあります。
もちろんどの婚活サービスでも、必ず出会えるといったことはありません。
それでもあまりにも期待と異なる状況であれば、話が違うと思って苦情を言いたくなるでしょう。
結婚相談所側の対応によっては、トラブルとなる場合も多いのです。
担当コンシェルジュやアドバイザーとのコミュニケーション不足も関係している
自分が希望する相手と出会えないというのは、結婚相談所の場合担当コンシェルジュやアドバイザーとのコミュニケーション不足も考えられます。
結婚相談所での婚活は、コンシェルジュやアドバイザーとの二人三脚です。
- 自分がどのような結婚生活を望んでいるのか
- 結婚相手にはどのようなものを求めているのか
その点をコンシェルジュやアドバイザーと十分に共有していなければ、結婚相談所での婚活はうまく行きません。
恥ずかしいからと本音を言えなかったり、見栄を張ってしまう人もいるでしょう。
しかし本当の希望を伝えない限りは、自分が求めているような出会いはありません。
会員の意向に添って、その会員の魅力が活かせるように婚活を進めるサポートをするのが結婚相談所の役割です。
登録さえしてしまうと良い出会いがあると思っていたのでは、結婚相談所を十分には活用できません。
与えられた環境を活かして、担当コンシェルジュやアドバイザーと密にコミュニケーションを取っている人の方が、満足度は間違いなく上がります。
結婚相談所のトラブル④サービス内容が説明と違う
結婚相談所のサービスは、各相談所によって個性があります。
- 自分磨きを大事にして、様々なセミナーやサービスを無料で行っている相談所
- 同じようなセミナーやサービスを有料で提供している相談所
コンシェルジュやアドバイザーとの面談ひとつを取っても、対面であったりオンラインであったり様々です。
相談所によっては
- お見合いに回数制限がある
- 1回1回のお見合いに別途料金が発生する
などもあります。つまり結婚相談所のサービス内容は、各相談所によって全く異なるものだと思った方が良いのです。
広告で見たサービス内容であっても、詳しく説明を聞くと利用するのに様々な条件がある場合もあります。
入会時に説明を受けた時と、実際に入会して利用しようとした時とで内容が異なると感じるのは珍しくありません。
あまりに異なる場合には、トラブルとなるのも無理はないでしょう。
口頭説明だけではなく書面での確認を怠らない
サービス内容に関するトラブルで重要なのは、書面に記載されているのかという点です。
例えはっきりと口頭で説明を受けたとしても、口頭だけであれば証拠がないことになってしまいます。
反対に書面に記載さえあれば、口頭では何にも説明がなくても法的に有効です。
結婚相談所で何か説明を受けたときは、その内容について書面の記載を確認しましょう。
契約書などに記載されている事項はかなり多いので、すべてを確認するのは大変かもしれません。
しかし契約書には、今後その結婚相談所を利用するにあたって重要な内容が記載されています。
特に自分が利用したいと思ったサービス内容に関係する部分は、時間がかかってもしっかりと読み込みましょう。
契約書に記載されていなくても、説明時に渡されたパンフレットなどに記載されている場合もあります。
内容の確認と同時に、パンフレットを含めた書面などはすべて保管しておきましょう。
結婚相談所のトラブル⑤成婚料についてのトラブル
成婚料は結婚相談所独自のシステムなので、特にわかりにくくトラブルにもなりやすいです。
結婚相談所は、成婚と呼ばれる状態になると退会する決まりになっています。
そしてその成婚の状態には、業界全体での明確な基準がありません。
そのため、何をもって成婚とするのかが結婚相談所によって全く異なるのです。
結婚であれば入籍のことだとわかりやすいのですが、成婚となると非常に曖昧な要素が多くなります。
たとえばIBJメンバーズでは、成婚の基準を婚約としています。
婚約とは結婚の約束をいいますが、昔のように必ず結納をする訳でもないので、婚約そのものが曖昧なものです。
プロポーズの有無によって判断する場合もありますが、必ずしもプロポーズ=婚約とも言い切れないでしょう。
パートナーエージェントの場合は、成婚の定義をお互いに結婚の意志を固めて婚活を終了することとしています。
つまり婚約よりも前の段階で、お互いに結婚の意思を持って交際をしている段階でも成婚と見なすのです。
パートナーエージェントのHPにも、成婚後にプロポーズをする人がほとんどと記載があります。
このように成婚についての基準は統一されたものがないので、結婚相談所側と会員側とでは認識にズレが生じる場合が多いのです
この認識のズレが、トラブルになりやすい理由でもあります。
成婚料についても、無料の結婚相談所もあれば100万円程度かかるところもあります。
1組のカップルに対しての金額ではなく男女それぞれから徴収するので、かなりの出費です。
結婚には何かとお金がかかるので、できるだけ払いたくないと思ってしまうのも無理はありませんよね。
成婚料を支払う前に先に退会して隠れて結婚する人もいて、そのことが結婚相談所にバレて賠償請求されるようなトラブルに発展するケースもあります。
人生の門出にトラブルを抱えてしまっては、先が思いやられます。
このような事態にならないよう、特に成婚についてはあらかじめ十分に確認しておく必要があるのです。
結婚相談所によってもっとも差が出るので事前の確認が大切
成婚や成婚料に関する基準は、結婚相談所による差がもっとも大きい部分です。
入会前の相談でもこの点に関してはしっかりと説明がされるはずですが、意識していないとスルーしてしまうかもしれません。
まず、成婚の基準が各結婚相談所によって全く異なります。
その結婚相談所では何をもって成婚と見なすのか、具体的な例と共に確認しましょう。
その際には、結婚相談所への報告方法も聞いておくと安心です。
結婚相談所によっては、婚前交渉をしたら成婚と見なされるところもあります。
まだ全く結婚の意思などがないにも関わらず、婚前交渉をしてしまうケースもあるでしょう。
わざわざそれを結婚相談所に報告はしないのかもしれませんが、コンシェルジュやアドバイザーとの面談時にバレてしまう可能性は大いにあります。
この場合、本人達に結婚の意思があるかどうかに関わらず成婚料の支払いと退会が言い渡され、トラブルとなる場合があるのです。
これは完全に、事前の確認ミスといって良いでしょう。
成婚退会後に破局した場合についても、事前に確認する必要があります。
多くの結婚相談所では、成婚退会後に破局しても成婚料は返金されません。
そのため成婚後も一定期間のサポートによって、破局を防いでいる結婚相談所もあります。
どれだけうまくいっていたとしても、男女の問題なので突然の破局はあり得ます。
トラブルを避けるためにも破局した場合にどのような扱いになるのか、再入会についてやその際の費用についてなど、細かい部分まで確認しておきましょう。
トラブルになりにくい結婚相談所を選ぶには比較検討も効果的
どのような結婚相談所であっても、100%トラブルが起こらないとは言い切れません。
- 自分の希望にあった活動ができる結婚相談所であるか
- 誠実な対応をしてくれる結婚相談所であるか
など、選ぶ際に比較検討するのが効果的です。
比較検討する際には、以下の様な点を意識して選びましょう。
- 自分の希望するサービスが提供されるか
- オプションを含めた必要な費用を支払っても生活に影響しないか
- 口コミの内容に納得ができるか
- 問い合わせや相談時の対応は信頼できるか
- 成婚についての定義がHP上にはっきりと記載されているか
これらの点で比較していくと、より自分に合った結婚相談所選びが実現します。
それは結果的に、トラブルになりにくい結婚相談所を選ぶことにもなるのです。
自分の希望するサービスが提供されるか
人それぞれ、結婚相談所にどのようなサービスを求めているのかは異なります。
- こまめにコミュニケーションを取るような手厚いサポートを求めている人
- 必要なときにだけ最低限のサポートを受けられれば良いという人
- マナー講座を受けたりファッションアドバイスを受けたりして、まず自分磨きをしたい人
結婚相談所のサービスは、他との差別化を図るためにかなり様々なものがあります。
自分がどこに価値を感じているのかについての明確化によって、充実した婚活ができるはずです。
オプションを含めた必要な費用を支払っても生活に影響しないか
結婚相談所を利用するための費用は、他の婚活サービスに比べると高額です。
どうしても結婚相手を見つけたいからといって、自分の生活を圧迫してしまうような費用が必要な結婚相談所はやめましょう。
基本料金だけではなく、オプションサービスの料金にも注意が必要です。
サービスには無料のものと有料のものがあり、一定の回数以上は有料の場合もあります。
自分に必要と思うサービスを選んだ上で、最初にいくら必要か、毎月いくら必要かなど計算しましょう。
結婚相談所の費用のために何かを切り詰めなければならないなど、毎月の生活に影響が出るようであれば、再度検討が必要です。
貯金を利用する場合は、成婚退会後にかかる費用を考慮しなければなりません。
結婚式に新婚旅行、引越費用などが必要になります。
結婚はゴールではなく、スタートであることを十分に意識しておきましょう。
口コミの内容に納得ができるか
結婚相談所選びには、口コミもかなり参考になるため事前に確認すべきです。
婚相談所のHPにも体験談がありますが、基本的に良い口コミしか掲載されていません。
ネット上の口コミをすべて鵜呑みにするのは危険ですが、参考までにいろいろと検索するのは必須です。
良い口コミと悪い口コミを、いくつかの媒体で探すと良いでしょう。
- その内容に矛盾がないか
- 自分が納得できる内容であるか
なども重要です。
投稿の場合は、投稿された日時にも注目しましょう。
あまりに古いものや、日時が近いものがいくつもある場合は信憑性に欠けます。
問い合わせや相談時の対応は信頼できるか
気になる結婚相談所があれば、まず問い合わせをしてみましょう。
実際に訪問して話を聞くのがもっとも雰囲気などもわかりますが、まずは電話でもOK。
- 電話にすぐ出てくれるか
- 電話応対でどのくらい待たされたか
- 他の担当に回されたりするか
などといったところも確認できます。
あまり待たされるような結婚相談所では、入会後に相談をする際にもスムーズではないかもしれません。
電話が難しい場合には、メールでの問い合わせでも様々なことがわかります。
- 定型文での対応ではないか
- こちらの質問にもれなく答えてくれているか
返信の早さも、対応の良さを見る指針になります。
いくつかの結婚相談所へまず問い合わせをしてみて、印象の良かったところへは実際に面談を申し込むと良いでしょう。
成婚についての定義がHP上にはっきりと記載されているか
成婚についての定義は、事前に必ず確認すべき項目です。
問い合わせや面談の際に確認するのはもちろんのこと、HP上に成婚についてはっきりと記載されているかなどで、その結婚相談所の姿勢がわかります。
- 成婚の定義
- なぜそれを成婚と見なしているのか
などが記載されていると安心です。
一見良さそうな結婚相談所であっても、成婚についての記載が曖昧な場合は少し注意しましょう。
問い合わせができるのであれば、なぜHPにははっきりと記載されていないのか直接聞くのがおすすめです。
そこでも曖昧な返答であれば、成婚に関するトラブルの可能性は高いでしょう。
結婚相談所でのトラブルを避けるには入会前の十分な確認が必須
結婚相談所でのトラブルを避けるためには、結局入会前にどれだけ確認しておくかが重要です。
トラブルに発展するのは、結婚相談所と会員との間で認識の違いが生じるとき。
最初から認識のすり合わせが済んでいると、トラブルは避けられます。
いくつもの結婚相談所を比較したり、あれもこれもと質問をするのは大変でしょう。
しかし結婚はこれからの人生に大きく影響するものなので、ここで妥協すると後悔します。
自分が安心して利用できる結婚相談所を選ぶために、納得できるまで様々な視点で確認しましょう。